Travis CIでWordPressテーマのテストとデプロイを自動化できるようにする 〜デプロイ編

現在WordPressテーマを開発しており、開発したテーマをGithubで管理しているのですが、ゆくゆくは公式テーマとして申請も行いたいと思っているので、品質の担保のためにテストを導入する必要があると思い至りました。

そこでTravis CIというサービスを利用して、Githubにプッシュした際にテスト→問題なければビルドしてリリースといった一連の作業の自動化にチャレンジしてみました。

いざ触ってみると中々上手く行かずに四苦八苦。なのでとりあえずテストはひとまず置いておいて、

  • masterブランチへプッシュ
  • 開発用ファイルを除いた必要なものだけをビルド
  • releaseブランチへプッシュ

という手順を行うことにしました。

ただビルドしてプッシュしているだけなのでCIとは言い難いですが、CI導入の第一段階としてこちらの設定について解説します。

ビルドタスクを用意する

まずはリリース用のファイル群をビルドするタスクを作ります。今回はgulpを使用して用意します。

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const gulp = require('gulp');
const runSequence = require('run-sequence');
gulp.task('build', ['clean'], callback => {
return runSequence(['scss', 'babel', 'img'], callback);
});

各タスクの詳しい内容は本記事の趣旨から外れるので割愛しますが、css、js、imgの各ファイルのビルドタスクを作り実行させています。

gulpの並列/直列実行について

ちなみにgulpはデフォルトではタスクを並列実行します。しかし今回は一度ビルドしたファイルを出力するディレクトリ(例:dist)を削除するcleanタスクを実行させてからビルドしたいので、並列実行だと期待する結果になりません。そこで上の例では並列/直列を制御できるrun-sequenceというモジュールを使用しています。
なおgulp4.0からはgulp.seriesgulp.parallelで並列/直列を制御できるようになったので、既に4.0を使用している場合はrun-sequenceは不要です。

一度ビルドファイルを出力するディレクトリを削除する理由は、不要なファイルが混入してしまわないようにするためです。今回はcleanタスクという名前にしました。タスクの内容は以下の通り。

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const del = require('del');
gulp.task('clean', callback => {
return del('dist', callback);
});

Travis CIとGithubリポジトリの連携を行う

Travis CIのWebサイトにアクセスしてSign Upをクリック後、手順に従っていけばサインインが完了します。

その後、右上のアイコンからsettingsをクリックするとGithubのリポジトリ一覧が表示されるので、連携したリポジトリの右にあるラジオボタンをONにすれば連携は完了です。

アクセストークンを生成する

Travis CIからリポジトリにpushを行うにあたってアクセストークンが必要です。アクセストークンは下記から生成できます。

https://github.com/settings/tokens

許可する権限は下記の画像の通りpublic_repoのみでOKです。

Githubのアクセストークンの権限設定の画面

※取得したトークンは無くさないよう大切に保管してください。

.travis.ymlの設定を行う

連携が完了したら.travis.ymlというファイルを連携したリポジトリの直下に作ります。ここに設定を記述していきます。コミット時にこの設定ファイルのタスクが実行されるようになります。今回は下記のような感じになります。

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language: php

php:
- '7'

branches:
only:
- master

cache:
directories:
- node_modules

install:
- nvm install 8

before_script:
- npm install

script:
- npm run build
- ls -la style.css

deploy:
provider: script
script: bash ./bin/deploy.sh
skip_cleanup: true
on:
branch: master
php: 7

env:
global:
- GIT_COMMITTER_NAME=Githubのアカウント名
- GIT_COMMITTER_EMAIL=Githubで使っているメールアドレス
- GIT_AUTHOR_NAME=リポジトリのオーサーのアカウント名
- GIT_AUTHOR_EMAIL=リポジトリのオーサーのメールアドレス
- secure: "トークンの文字列"

上から順に見ていきましょう。

language

テストするファイルの言語を設定します。今回はWordPressテーマのテストを想定しているのでphpとしました。

branches

コミットした際にTravis CIを発火させるブランチを指定します。今回はmasterブランチを指定。

cache

頻繁に更新されないコンテンツをキャッシュしてCIのスピードアップができるのがここです。例ではnode_modulesを設定しています。キャッシュ機能を使用する場合は、各リポジトリの設定にあるBuild pushed branchesONにする必要があります。

Caching Dependencies and Directories - Travis CI

install

Travis CIの実行に際して必要なものをインストールする設定をします。今回gulpを実行してファイルをビルドするのでNode.jsをインストールしておきます。例ではnvmというNode.jsを管理するアプリケーションを使用して最新のLTS版であるバージョン8をインストールしています。

before_script

ここではnpm installを実行し、package.jsonに記載されたモジュールをインストールしています。

script

npm run buildはgulpを実行してファイルをビルドするタスクです。
ls -la style.cssについてはよくわかってないです。

deploy

releaseブランチへプッシュする設定をここに記述します。各設定値の意味は以下。

内容
provider デプロイ先を設定。デプロイ可能なサービスはTravis CIの公式ドキュメントに記載があります。しかし今回はデプロイするのではなく別ブランチへのプッシュを行いたいので、この後に詳しく説明しますが、今回はデプロイ用のシェルスクリプトを使用してプッシュするのでproviderにはscriptと記述します。
script デプロイ用のシェルスクリプトの格納先設定。
skip_cleanup いまいちわかっていません。trueにするとgit stashと同じ働きをするようですが、よくわからないので誰か教えていただけませんか。
on 特定の条件でデプロイするように発火の条件を設定できます。例ではmasterブランチにプッシュした時だけデプロイするよう設定しています。なので例えば開発用にdevelopというブランチがあった場合、developブランチにプッシュしてもデプロイはされません。branchesのところにdevelopを指定すれば、テストは作動してもデプロイは作動させないといった設定も可能。
php 複数のバージョンをサポートするジョブの場合、指定したバージョンのジョブの時だけデプロイするように設定をするという認識なんですけど合ってるのでしょうか?Travis CIの公式ドキュメントを読んでも英語力に乏しいので誰か教えていただけますと幸いです。

env

環境変数を設定するキーです。githubのアカウント名とかメールアドレスなんかも設定していますが、必須なものはsecureです。ここには取得したアクセストークンを設定します。取得したアクセストークンを下記のコマンドで暗号化します。

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travis encrypt GH_TOKEN=ここに取得したアクセストークンを記述

デプロイ用のシェルスクリプトを作成

.travis.yml内のdeployscriptところで設定したデプロイ用のスクリプトdeploy.shの中身は以下です。

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#!/usr/bin/env bash

set -e

if [[ "false" != "$TRAVIS_PULL_REQUEST" ]]; then
echo "Not deploying pull requests."
exit
fi

if [[ "master" != "$TRAVIS_BRANCH" ]]; then
echo "Not on the 'master' branch."
exit
fi

rm -rf .git
rm -r .gitignore

echo ".eslintrc
.travis.yml
README.md
bin
gulpfile.js
node_modules
package.json
package-lock.json
phpcs.ruleset.xml
src
tests
tmp
.vscode" > .gitignore

git init
git config user.name "githubのアカウント名"
git config user.email "githubのメールアドレス"
git add .
git commit -m "Update from travis $TRAVIS_COMMIT"
git push --force --quiet "https://${GH_TOKEN}@github.com/${TRAVIS_REPO_SLUG}.git" master:release > /dev/null 2>&1

githubのアカウント名githubのメールアドレスさえ変更してもらえれば使用できると思います。このスクリプトは、

  • masterブランチへプッシュされた時
  • プルリクエストでないこと

を条件にreleaseブランチへのプッシュを行います。5~13行目が上記の条件分岐の記述となります。

最終行の/dev/null 2>&1という記述があります。これは最後のコマンドの出力を/dev/nullに捨てる(つまりTravis CIに出力させない)という記述です。これは何らかの理由でプッシュが失敗した際にアクセストークンがTravis CIのログに出力されてしまわないようにするための記述です。

これについては下記の記事がわかりやすかったので参考にしてください。

いい加減覚えよう。command > /dev/null 2>&1の意味 - Qiita

以上で設定は完了です。これでmasterブランチにプッシュするとビルドされてreleaseブランチにプッシュまでの作業を自動化できるようになります。

参考:
WordPressのテーマをTravis CIでビルドする。 | Firegoby